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脱サラした主人が営む老舗旅館 【日刊ゲンダイ】 2015年5月18日
2020/06/09(火)
関越自動車道の渋川伊香保インターから1時間弱の山の中腹にある沢渡温泉。「まるほん旅館」は、江戸初期創業の老舗旅館だ。「伝統の桧張りの風呂が素晴らしい。主人のユニークな経歴は、ゲンダイ読者なら共感するはず」(飯出氏)
そのご主人、福田智さん(48)は元銀行マン。後継者がなく、一時は廃業を決めた宿を、10年前に脱サラして引き継いだ。
「お湯に浸かった瞬間ビビッときました。こんないい湯を失うのはもったいない。40手前で、銀行業にも逆風が吹いていた時期。人生をやり直したかったというのもあるかもしれませんね」
その、ビビッときた桧の大浴場。混浴だが、別に新築したばかりの女湯があり、時間によって入れ替えとなる。流し場まで桧で造られているのは珍しい。湯はもちろん源泉かけ流し。近くにある草津の強酸性の湯で荒れた肌を整える「仕上げ湯」とされるだけに、柔らかな肌触りが特徴だ。それでいて体の芯まで温まり、疲れた体をしっかり解きほぐしてくれる。
クタ~ッとなったところで、ビールを1杯。熊の置物や古いパチンコ台が並ぶロビーがなんとも癒やしの空間である。
1人利用の料金は1泊2食付き1万4190円。